Before / After 1945
戦前と戦後、何がどう変わった?
1945 年 8 月 15 日を境に、日本のかたちは根本から変わりました。主権・憲法・選挙・軍隊・言論・教育・経済の 8 項目で、ビフォー / アフターを並べて比較します。
1945 年 8 月 15 日「玉音放送」
昭和天皇がラジオで終戦を国民に告げた日。「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」という言葉が有名。
1 主権者
〜 1945 戦前
天皇主権
「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」(大日本帝国憲法 1 条)。すべての権力の源は天皇。
1945 〜 戦後
国民主権
「主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」(日本国憲法 前文)。天皇は象徴に。
→ ポイント: 国を動かす権力が、頂点の 1 人 → 国民全員に降りた。最大の転換点。
2 憲法
〜 1945 戦前
大日本帝国憲法(1889 年)
天皇が国民に下賜する「欽定憲法」。改正は天皇の発議のみ。
1945 〜 戦後
日本国憲法(1947 年)
国民投票で改正できる「民定憲法」。象徴天皇制・基本的人権・戦争放棄の 3 本柱。
→ ポイント: 上から授かる「掟」から、みんなで作る「ルール」に。
3 選挙権
〜 1945 戦前
限られた男性のみ
1925 年の普通選挙法までは「直接国税 15 円以上を納める 25 歳以上の男子」(人口の 1.1%)。普選後でも男子 25 歳以上のみ。
1945 〜 戦後
全成人男女(2016 年から 18 歳以上)
1945 年 12 月の衆議院議員選挙法改正で婦人参政権が実現。1946 年に女性 39 人が初当選。
→ ポイント: 1% の男性 → 全員。「私の 1 票」が初めて誰にでも与えられた。
4 議会と内閣
〜 1945 戦前
帝国議会・元老制
貴族院(皇族・華族・勅選)と衆議院の二院制。首相は元老の推薦で天皇が任命。政党内閣は短期(1918-1932)。
1945 〜 戦後
国会・議院内閣制
衆議院・参議院ともに国民の選挙で選ばれる。内閣総理大臣は国会で指名。政党政治が常態化。
→ ポイント: 「選ばれていない人」の意向で動いていた政治が、選挙で覆せる仕組みに。
5 軍隊
〜 1945 戦前
帝国陸軍・海軍
天皇の統帥権の下、陸軍・海軍が独立して動く。シビリアンコントロール(文民統制)が利かず、満州事変・日中戦争・太平洋戦争に突入。
1945 〜 戦後
戦争放棄・自衛隊
憲法 9 条で戦争を放棄。1954 年に自衛隊を創設(防衛のみ)。総理大臣(文民)が最高指揮権を持つ。
→ ポイント: 戦争を国家が選べる仕組みから、原則放棄する仕組みへ。9 条改正論議の根っこ。
6 言論・思想
〜 1945 戦前
治安維持法・特高警察
1925 年の治安維持法で「国体の変革」「私有財産の否認」を主張すると最高刑死刑。特別高等警察が思想取締を担当。
1945 〜 戦後
言論・出版・集会の自由
憲法 21 条で言論の自由を保障。検閲の禁止・通信の秘密も明文化。
→ ポイント: 「お上に逆らう発言」が犯罪だった時代から、政府を批判できる時代へ。
7 教育
〜 1945 戦前
教育勅語(1890 年)
「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ…一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」。天皇への忠誠と国家への奉仕を中核に。
1945 〜 戦後
教育基本法(1947 年)
「人格の完成」を目指し、自主独立の精神を養う。教育勅語は 1948 年に国会で排除・失効決議。
→ ポイント: 国に奉仕する人材育成 → 自分の頭で考える個人を育てる教育へ。
8 経済
〜 1945 戦前
財閥支配・統制経済
三井・三菱・住友・安田などの財閥が日本経済を寡占。戦時中は国家総動員法(1938)で全産業を統制。
1945 〜 戦後
財閥解体・市場経済
GHQ により財閥解体(1945-47)。独占禁止法(1947)・労働三法で自由競争と労働者保護の枠組みに。
→ ポイント: 一部の家族が経済を握る構造から、市場と競争による経済へ。
なぜこんなに変わったのか?
太平洋戦争で日本は約 310 万人の戦死者・空襲・原爆を経験し、 1945 年 8 月のポツダム宣言受諾で無条件降伏しました。 続く約 7 年の GHQ 統治期に、日本国憲法の制定(1946 公布、1947 施行)、 財閥解体、農地改革、労働改革、教育改革、女性参政権など「戦後改革」が一気に進められたのが背景です。
一方で、現在も「戦後レジーム」と呼ばれるこの枠組みを変えるべきか維持すべきかは、憲法改正・防衛費をめぐる議論の根っこにあります。